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不動産投資は、減価償却費と自己金融効果で増やす

不動産投資で重要なものに収支計画や税務対策があります。

個人事業でも法人化した場合でも、不動産の収入のために必要な販売費や人件費、減価償却費といった費用は、必要経費とすることができます。

現金を出したときに全額を費用とする処理を現金主義といいますが、会計では現金主義を採用していません。

例えば、不動産のような高額な買い物をしたときは、全額を費用として処理しません。

不動産投資では、不動産の価値を少しずつ落とし、同額を費用として処理する

例えば、不動産投資と言ったら必ず出てくるものに「減価償却費」があります。

減価償却費とは、購入した固定資産を使用する期間に適切に費用配分する手続きのことをいいます。

 

不動産の場合は、何十年にわたって利用できるので、建物は少しずつ費用として処理します。

税法では、利用期間について「法定耐用年数」といったように決められています。だからといってその期間しか建物を利用できないわけでなく、また、その後も賃貸物件として扱ってはいけないわけでもありません。

会計の計算上設けられたものですから、法定耐用年数を超えて利用しても問題はありません。

減価償却費の計算

以前は、減価償却費の計算について、定額法と定率法がありましたが、現在は建物の償却方法は定額法に限られています。建物の付属設備は定率法も可能です。

 

定額法では、建物の取得価額に償却率を乗じて計算します。

取得価額×定額法償却率=減価償却額 といったようにです。

 

税法上は、居住用の鉄筋コンクリートなら47年、木造住宅なら22年といったように、建物の構造に応じて耐用年数が決められています。

定額法償却率も、鉄筋コンクリートなら0.022、木造住宅なら0.046といったように償却率も決まってます。

 

 

減価償却費の話をもう少し掘り下げて説明してみます。

金額が少ないほうが分かりやすいので、タクシーを例にして説明します。

例えば、ここに400万円があって100万円のタクシーを4台購入したとします。

 

そして、減価償却年数は4年です。

なので、1台のタクシーを4年間使用するということは、1年間の減価償却費は1台当たり100万円÷4年間で25万円です。

1台のタクシーが1年間で稼ぐのも25万円とします。

そうすると、収入は1台25万円なので4台合わせると1年間で100万円稼げる計算です。

 

つまり、1年目は収入総額も費用総額も同じ100万円です。

また、分かりやすくするためにガソリンとか人件費は無視します。

 

利益というのは、収入から費用を引いたものですから、100万円-100万円で利益は0です。

ところが、売上が100万円なので、手元には100万円が残ります。

 

この100万円を使ってもう1台のタクシーを購入すると、2年目はタクシーが5台に増え、1台25万円の収入ですから125万円を稼げる計算です。

費用も5台分なので125万円ですから、125万-125万円で利益は0円となります。

でも、売り上げが125万円あるので、125万円が手元に残ります。

 

2年目が終了した時点では、現金が125万円です。

クルマで費用処理していない額は、{100万円-(25万円×2年分)}×4台+100万円-25万円の275万円です。これが会計上のクルマの資産額です。

現金とクルマを合計すると400万円になります。

資産の合計額は1年目から帳簿上は変わっていませんが、クルマは5台になりました。

 

このまま3年目も1台購入すれば、タクシーは6台になりますが、帳簿上の価額は400万円で変わりません。

もしも、固定資産の全部を減価償却して配分しきったとすると、収入の全てが利益となるので全部が課税対象になります。

なので、不動産投資をしている人は、物件を探し続けるなり、建て替えをするなりすることになります。

 

自己金融効果と言われるのはこういったことからです。

会計上は、減価償却額の分だけ不動産の価値が失われます

例えば、ここに耐用年数20年の取得価額が1億円の建物があるとします。

耐用年数が20年なので、償却率は1÷20=0.050になります。

すると、この建物は、毎年500万円(1億円×0.050=500万円)の価値がなくなっていくことになります。

会計上の価値がなくなりますが、同額が費用計上できるので、収入から控除すれば所得が少なくなるので節税になります。

そして、建物の全額が費用処理し終わると所得が大きくなる可能性があります。

所得が大きくなれば税金も大きくなるので、新しい物件を購入する人もたくさんいます。

 

 

 

 

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