ファイナンシャルプランナー、住宅ローンアドバイザー、モーゲージプランナーといった住宅ローンの専門家を名乗る人々がいます。
これらの専門家に住宅ローンの相談をすると、「頭金は2割以上必要」といったアドバイスを受けることがほとんどです。
どうして頭金を2割以上用意しないといけないのでしょうか?
住宅ローンで「頭金が2割以上必要」といわれるかについて
ファイナンシャルプランナーとしてお客様から相談を受けていると、よくある質問の一つに「頭金はいくら必要か?」というものがあります。
不動産は高額なので購入に際しては金融機関からお金を借りて不動産を購入するのが普通です。
テレビや雑誌でも専門家の人が頭金は2割必要と当たり前のように言っていますが、果たしてそうでしょうか・・・・・・。
頭金とは
まず最初に頭金とは何かですが、頭金とは購入した物件のうちの自己資金で用意した金額です。
例えば、4,000万円の物件に対して自己資金で400万円用意した場合は、1割の頭金を用意したということになります。残りが借入金(ローン)で用意することになるのが一般的です。
間違えやすいのが自己資金と頭金の違いです。
自己資金は購入のために自分で用意したお金です。
不動産の購入には、本体価格以外にもお金がかかるため、自己資金を500万円用意したとしても全ての金額が頭金になるとは限りません。
もし仮に本体価格以外の諸費用が300万円だとしたら、頭金に使える金額は200万円になります。
このように自己資金と頭金は異なります。
ちなみに、諸費用は5%~10%が一つの目安といわれています。
新築マンションだと諸費用を抑えられます。
昔の公庫では物件価格の8割しか融資してくれなかった
現在はフルローンも融資してくれる金融機関が多くなりましたが、昔の公庫は原則8割しか融資してくれなかったので、頭金が2割必要でした。または、他の金融機関からの借り入れだでした。
昔の名残で2割必要といっている専門家もいるようです。ファイナンシャルプランナーや住宅ローンアドバイザーといった専門家に多いみたいです。
フラット35の場合は、頭金を1割用意するかどうかで適用される金利が違います。
頭金を1割以上用意すれば、適用される金利が低くなるため、フラット35を利用する場合は、頭金を1割以上用意しておいた方がいいです。
また、頭金が多い方がローンの審査に通りやすいということはあります。
しかし、必ずしも頭金を2割以上用意しなければならないかというと、今とは事情が違うのであまり根拠にはなりませんね。
不動産の価値がローンよりも下回るという担保割れのリスク
この担保割れのリスクも頭金が2割必要とする理由として専門家から支持されています。
担保割れというのは、不動産の価格が借入金よりも少ない場合をいいます。
例えば、不動産が4,000万円の価値があり、実際の売却でも4,000万円で売れるとします。
しかし、借入金がまだ4,500万円あるとすれば、売ろうにも500万円のマイナスなので、売るに売れません。
手持ちに500万円の余剰資金があればいいのですが、手持ちの資金が不足する場合は売ろうにも売れません。
これが担保割れのリスクです。オーバーローンともいいます。
新築マンションは値下がりが激しい?
新築マンションは、不動産の登記をした時点で資産価値が8割になるといった意見があります。
住宅ローンの専門家の中には、7割になるなんていう人もいます。
これは少しいい過ぎかもしれませんが、新築マンションが登記したら8割の価値になるので頭金が2割必要というわけですが、この理由も住宅ローンアドバイザーやファイナンシャルプランナーから支持されてます。
当たり前のように8割になるというのは暴論だと思いますが、不動産は売却にも諸費用がかかるため、キャッシュフローの面からは8割の価値になるのと似たような数値になる可能性はあると思います。
購入したばかりのでは、担保割れが起こりやすいのですが、ローン残高の減少に伴って担保割れが解消していきます。
持ち家は、長く持つほど有利になります。人生100年時代に首都圏に住むのであれば、持ち家の方が有利になるはずです。
いかに担保割れ状態を乗り切るかは結構重要です。
住宅ローンを利用するとしたら
もし仮に私がマイホームを購入するとしたら、頭金が2割貯まるまで待つかと問われたら・・・・・・私であれば頭金2割貯まるまで待ちません。
家賃を支払いながら頭金を準備するのは大変ですし、今が低金利ということもあります。
頭金が貯まるのを待たずにマイホームを購入し、頭金として貯めるはずだった分は将来のリフォーム費用として積み立てると思います。
当然ですがライフプランを立ててから購入を考えます。
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