ファイナンシャルプランナーは、ライフプラン(人生設計)の専門家といわれています。

ライフプランと人生設計とは、似たような意味合いを持っていますが、ライフプランといったときは、人生設計よりも、よりお金についての意味あいが強くなります。

 

特にファイナンシャルプランナーがライフプランといったときは、多くの場合そのライフプランが現実的か、問題があるとすればどのような点か、といったことが検討されます。

 

キャッシュフローとはどのようなものか

キャッシュフローとは、お金の収入(キャッシュ・インフロー)とお金の支出(キャッシュ・アウトフロー)といった資金の出入り(収支)をいいます。

つまり、キャッシュはお金、フローとは出し入れのことなので、お金の収支(流れ)となります。

キャッシュフローは、お金の収支ををカタカナにして難しくしただけのことだと思ってください。

 

ファイナンシャルプランナーが作るキャッシュフローが、どんなものかを図を用いて紹介してみたいと思います。

 

ファイナンシャルプランナーがよくいっている「キャッシュフロー表」というのは、家庭における将来の家計収支の一覧表のことをいいます。

 

下の図がキャッシュフロー表と一般に呼ばれるものです。

 

キャッシュフロー表では、将来の年金額や今後の収支、住宅ローンの返済などを表に落とし込んで一覧にしていきます。

ここでは、あくまでも現在分かっていることだけで構いません。ざっくりとでもお金の流れを把握することが大事だからです。

そもそも、将来のことについて、実際とキャッシュフロー表との数値が一致することは、まずありません。

一致しなくてもキャッシュフローを立てることで、潜在していたリスクの存在を知ることができ、また、今まで考えたこともなかったことに触れることもできます。

 

少なくともライフプランを立ててみて、大きなマイナスとなるのであれば、ほぼ間違いなく将来はマイナスとなるので、今のうちの対策が必要となります。

 

漠然としていた将来の不安も、将来のお金の流れを数値にしてみることで、どこに問題が隠れているかが一目瞭然で分かります。

 

このモデルケースは適当に作成したものですが、このモデルケースではこのままだとシミュレーション上は3年後に資産がマイナスになることになります。

不動産の購入では、意外とこういった例は珍しくなく、本人が無意識のうちにリスクを負っているケースも見られます。

 

多くの不安の原因は、それが何なのか分からないから生じることがほとんどです。

例えば、普段の生活で今までにない肩の痛みを生じたときは、原因が明らかになるまで不安になりますが、原因が分かってしまえば不安はそれほどでもなくなります。

 

キャッシュフロー表の目的

キャッシュフロー表を用いることで、現状の家計の収支と資産残高の将来推移が分かるため、将来の問題把握ができます。

また、ある意思決定を行う際にそのライフプラン達成が資産が尽きることなく行えるのかの目安が分かります。

 

キャッシュフロー表を作るメリットは、将来的に家計に問題がある場合に、事前に対策の検討が可能となる点です。

いきなりお金が必要となるのと、事前に準備しておくのとでは選択肢に差が出ます。

借金しか選択肢がないのか、自分で積み立てたり、全てを自分で用意出来なくて少しの借金で済むのとでは将来に与える影響も異なります。

 

キャッシュフローの課題

キャッシュフローを作る際は、将来のインフレ率や所得の上昇率といった仮定を見込むので予測通りにいかないことがよくあります。

そのために重要なことが定期的な見直しです。

上手くいっている人に共通していることは、目標と見直しを定期的に行っている点です。

家計も、会社も、より良い未来を作るためには、目標と見直しが必要です。

ノープランでは地図をもたずに太平洋を渡るようなものです。

 

まずは現状把握が大事

将来に対する期待と実際の結果に差があることは経験としてよくあることではないでしょうか。

 

予想が結果と違うことはよくあることですが、

結果までの過程で努力した場合と運頼みとでは結果の内容が大きく異なるのは言うまでもありません

 

キャッシュフローを立てることで漠然とした不安を払しょくすることも可能です。

少なくとも、大きな出来事の前にはライフプランを見直してみることをお勧めします。

 

キャッシュフローのまとめ

・キャッシュフローとは、お金の流れである。

・キャッシュフロー表は、お金の流れを一覧にしたもの。

・キャッシュフロー表は、あくまでも概算なのでその通りになることはない。

・キャッシュフローから将来のリスクを知ることができる。

・ライフプラン(キャッシュフロー)は、定期的な見直しを行うことで大きな効果が期待できる。

・現状で大きなマイナスとなるのであれば、何か対策をしなければ老後破綻のリスクは大きい。