現金も不動産も資産ですが、それぞれの資産で特徴が異なります。

例えば、現金はインフレには弱いですが不動産はインフレに強い、現金は節税にはならないが不動産は節税に優れている、現金は納税に有利だが不動産は納税に適さない、不動産は流動性が低い、といった風にです。

不動産は流動性がよくない?

資産運用で避けて通れない問題の一つに流動性の問題があります。

 

流動性というのは、資産を現金に換えることがどれだけ早くできるかをいいます。

 

株式や債券、投資信託といった金融商品は、不動産と比べると流動性が高いといわれていますが、これは、株式や債券、投資信託は市場が発達しているので、容易に現金化が可能です。現金化が簡単なので流動性が高いというわけです。

 

これが不動産であればどうなるでしょう。

不動産を現金化するには売却しなければなりません。

売却のため不動産会社を通して買い手のお客さんを探さなければならないのですが、買い手がなかなか見つからないこともあり、現金化までに時間がかかります。

買い手を募集しても1年以上買い手が見つからないこともあります。

 

このように資産運用では流動性の問題は重要な問題でもあります。

 

日本人の資産構成は、不動産がかなりを占めているといわれ、多額の相続税がかかる場合には注意が必要です。

相続対策には、節税対策、納税対策、遺産分割対策があるといわれますが、納税対策は流動性のある資産がむいています。

 

相続財産の多くが不動産であるような場合は、遺産の分割協議がうまくいかず、親族間のトラブルに発展することも珍しくありません。

離婚時の不動産の処分

年金の分割制度導入で一度は到来した離婚ブーム?」ですが、現実にはいろいろな壁が立ちはだかるようです。

というのは、離婚したからといって元々の年金額が増えるわけではないからです。

元々、夫婦合わせて年金が250万円だったのであれば、離婚後も合わせた年金額は250万円です。

この250万円を分割するだけなので、離婚後の生活は大変です。

結局、離婚前の生活に戻ることも結構多いようです。

 

特に不動産の問題は離婚妨げる理由になります。

離婚をすれば、夫婦のうちどちらかは別の住居が必要になりますし、住宅ローンを組んで不動産を購入した場合は残りの住宅ローンの問題が残ります。

離婚したからといって住宅ローンの返済義務がなくなるわけではありません。

ときには売却を視野に入れた選択も必要となるでしょう。

 

夫婦それぞれに収入があるとは限りませんし、仕事の状況によっては養育費や援助がいきなり振り込まれなくなるということも考えられます。

夫婦共有名義でローンを組んでいた場合も難しくなります。

 

家賃併用住宅で夢が広がるか

「新しい家に住みながら家賃収入を得て、自分が借りた住宅ローンを家賃収入で支払う。そんな夢のような方法があります。」このような建築業者のセールストークで広まったのが賃貸併用住宅です。

 

賃貸併用住宅とは

賃貸併用住宅というのは、自宅の一部分を他人に賃貸住宅として貸し出している住宅をいいます。

自宅に住みながら一部を他人に貸し出しているので、家賃収入が得られます。

 

例えば、一つの建物の3分の2は自宅にして、残りの3分の1を他人に貸し出せば毎月一定の家賃が得られます。

 

住宅ローンで賃貸併用住宅を建てることは可能か?

結論からいうと、住宅ローンで賃貸併用住宅を建てることも可能です。

住宅ローンは、他のアパートローンや事業ローンと比べて低金利です。

住宅ローンは、住宅の取得が目的の理由で低金利なので、賃貸経営のために建てるアパートやマンションの場合は利用できないのが原則です。

 

ただし、一定の場合であれば、賃貸併用住宅でも住宅ローンが利用できます。

多くの場合は、2分の1以上が自宅として利用すれば可能とされています。

中には3分の1以上が自宅であればいいという金融機関もありますが金利が高めです。

 

賃貸併用住宅の成功と失敗

賃貸併用住宅の成功は、家賃収入が得られるので住宅ローンの借り入れが他の人よりも早く返済できます。

住宅ローンの返済が14万5千円なのに、11万2千円の家賃収入を得て10年でローンを返済した人もいます。

 

しかし、場所を誤って失敗するケースもあります。

賃貸の場合は利便性を問題にする人が多く、駅から15分分以上歩く閑静な住宅街は必ずしも需要があるとは限りません。

いつまで経っても借り手が現れず、賃貸部分が空室のまま、高めの住宅ローンを支払い続けるなんてケースもあります。

また、隣に大家さんが住んでる部屋は気を遣うという理由で嫌がられます。同じ利便性なら大家さんがいない方が選ばれます。

 

不動産の資産性をみるときは、賃貸で貸した場合のキャッシュフローがみられます。

 

今後の不動産市場は、東京はこれからも上がり続けると思いますが、田舎は下がり続けるでしょう。

 

一見するとよさそうな賃貸併用住宅にもデメリットはあります。

 

 

 

 

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