定年後も仕事をしたい人が急増していることで、起業がブームとなっているそうです。
中でも不動産業は、士業のように難しい資格が必要ではなく、在庫を抱えないことから注目されています。
そこで、法人を設立してから宅地建物取引業の免許証の交付までの流れを書いていきます。
当社は、神奈川で法人設立をしたので、他のエリアと違う点はご了承ください。
株式会社の流れは、以前に書いたので、株式会社設立後からの流れとなります。
机と固定電話の準備と法人口座の開設
宅地建物取引業免許申請では、固定電話と机が必要なので、そのための準備をします。提出書類にも固定電話と机の写真が必要です。
机は安く抑えるために、ニトリで2万円程度のものを購入しました。
後日、椅子もセットで購入しなおしたので、結局5万円以上かかりました。
固定電話は、ヨドバシカメラで一番安い5千円くらいのものを買いました。
法人口座は、決済やお客さんからの振り込みにも使います。
固定電話を法人で開設するには、法人の銀行口座が必要になりますので、早いうちに法人の銀行口座を作っておくことを意識しておくのがいいと思います。
私が法人口座の申請の際に必要となったものは以下のものです。
・法人番号(法人番号は、法人登記してから数日で通知がきます)
・履歴事項全部証明書の写し
・印鑑証明書
・代表者の免許証
・法人口座の申請書(受付に言うともらえます)
あとは、会社の印鑑と会社の銀行印が必要になります。
会社の印鑑は、法人設立のときに作っておきます。
書類には、結構印鑑を押すところがあるので、持参したほうがいいと思います。
法人口座の開設は、1~2時間程度で開設できると思います。
会社の電話回線の開設手続き
法人口座の番号があれば、固定電話の工事の申し込みはできます。
私は、Jcomで申し込みましたが、最初にJCOMに申し込んでから約1か月程度かかって電話が使えるようになりました。
JCOMだと1回線が月々1,950円と通話料がかかります。
後日、NTTに切り替えましたが、法人契約の場合は、NTTの方が安く済みました。
宅地建物取引業の免許は、机と電話があれば、とりあえず申請できます。
FAXとプリンターが必要なので、複合機を購入しました
FAX用の回線も引いたので、上大岡のヨドバシカメラへ行ってFAXとプリンターの複合機を購入しました。
ネットで比較して購入したので、他の家電販売店よりも安く購入できました。
最初から大きなFAXは必要ありませんので、家庭用のでいいと思います。
最初は、canonにしようと思いましたが、他のメーカーより値段が高いので、結局、brotherにしました。
不動産業では、契約書がA3なので、A3がプリントアウトできるものがいいと思います。
電話と机を購入して申請した後は、免許証の交付に向けて書類を準備します。
県庁に行って宅地建物取引業免許の申請をします
一通り事務所の準備が出来た後は、インターネットで申請に係る書類をダウンロードします。
ダウンロード前に受付に行きましたが、申請するための基本手続きは、インターネットに書き方も書類もダウンロードできます。一応ですが、受付場所に申請書類が設置されてます。
書き方の見本などはインターネットで調べながらが一番スムーズに出来ると思います。
受付の場所は、神奈川県の場合はかながわ県民センターの4階が申請窓口になります。
今まで使用していた事務所が県民センターから100メートルの場所にありましたので、書類の作成はそこで書きました。
申請書類は、かなりの枚数の書類が必要になります。また、事務所の写真や平面図が必要なので準備が大変です。
面倒な人は、行政書士に頼むという手もあります。
ここで必要な書類は、
・履歴事項全部証明書
・印鑑証明書
・登記されていないことの証明書
・平面図
・事務所の写真
・身分証明書
・駅からの地図
・免許申請に係る書類が30枚以上
必要な書類を集めるだけでも大変ですが、書類への記入ややることも多いので何日かかかるかもしれません。
書類の提出をしたら、神奈川県の職員がチェックしてくれる
宅建業の申請窓口に必要書類を提出すれば、書類のチェックをしてくれますので、不備があれば必要に応じて訂正したり記入すればいいです。
チェックしてもらった後は、印紙を33,000円分購入することになります。
印紙を貼付したら申請を受理してもらいます。
その際に自分で全額供託するのでなければ、全日協会か宅建協会といった不動産の協会を紹介されます。
1,000万円を自分で揃えられないのであれば、どちらかの協会に加入して供託する必要があります。
免許申請から免許の許可通知までは、40日くらいかかります。
ある社長さんいわく、5のつく日に免許がおりるそうです。
なので、免許申請から許可までは2か月くらいはみておくのがいいと思います。
1000万円を自分で用意するか、不動産の協会に加入するか
宅地建物取引業の免許証交付のためには、供託金の供託が必須条件です。
一般的には、1,000万円の供託は大変なので、全日本不動産協会か宅地建物取引業協会のどちらかに加入することになります。
東京だと全日本不動産協会の方が40万円くらい安いのですが、東京以外だと全日本不動産協会も宅地建物取引業協会も金額は大差ないようです。
当社は、全日本不動産協会に加入したので、全日本不動産協会の場合の流れについて書きます。
全日本不動産協会に加入した場合の流れ
全日本不動産協会であれば、入会前に支部の審査委員の面接があります。
この面接は、月に2回のペースであるそうです。
当社の場合は、神奈川県に免許申請してから20日後に面接がありました。
面接自体は暴力団とかとつながりがないかを聞かれた程度で、終始和やかな雰囲気でした。
できれば同じ協会に知り合いがいると話が盛り上がると思いますが、それほど気にすることはありません。
面接終了後、免許申請から40日が経過したくらいに、神奈川県宅建指導課から免許通知が送付されてきます。
送付されてから4日後に全日本不動産協会へ入会金を持参します(神奈川だと170万円)。
入金したその後、10日程して供託金受領書を取りに協会に行きます。
供託金受領書を受け取った後、そのまま県庁の宅建指導課に書類を持っていくと免許証が渡されるので、その免許証を事務所に掲げれば晴れて開業となります。
以上が開業までの流れです。
当社の場合は、法人設立から免許交付まで3か月かかりました。
もし、これから開業する人は、営業していなくても家賃が発生することを見越して準備を進めておくことがいいと思います。
事業をやると予定外の費用がたくさん掛かるので、自分が計画した費用がギリギリでないかチェックしておくことです。