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違法の民泊にあたるケースが続出

本来、所有している物件を他人に宿泊施設として使用させ、金銭を受領するには許可が必要です。

 

ところが厚生労働省の「全国民泊実態調査」によれば、確実に営業許可を取得している物件は16.5%とのことです。

つまり、それ以外の84%の民泊では、違法の疑いがある可能性があります。

特に都市部である大都市圏と大都市圏以外とでは差が歴然としており、大都市圏以外で許可を得ている物件が34%なのに対し、大都市圏で許可を得ている物件はたったの1.8%しかないそうです。

また、物件の種類については、マンションが54.2%で一戸建てが35.9%という結果になっており、マンションなどの共同住宅が一戸建てを上回っているようです。

違法の民泊とは

民泊は、民家に人を泊めることをいいます。

この民泊をめぐって違法民泊がニュースになるケースも増えてます。

 

日本で民泊が流行するきっかけとなったのが、アメリカのAirbnb(エアビーアンドビー)の空き家を貸したい人と旅行者を結びつけるサービスといわれています。

 

日本では、旅館業法で泊まる人の安全性や病気を防ぐため、一定の水準を施設に求めており、反復継続して空き家を有償で貸し出す場合は旅館業の許可が必要です。

なので、家族や友人を宿泊させる場合などは、反復継続にあたりませんから、違法の民泊にはあたらないとされるのが普通です。

また、宿泊料を徴収しなければ、旅館業法の適用は受けないとされています。

 

現在は、民泊の新しい取り決めを制定する方向で取り組みがされていますが、世の中の民泊のほとんどは違法に該当するというのが実際のところです。

旅館業法の旅館業

旅館業法の旅館業には、以下の3つがあるとされます。

1.旅館・ホテル営業・・・旅館、ホテル営業は、簡易宿泊営業及び下宿営業以外のもので、施設を設けて宿泊料を受けるかわりに人を宿泊させる営業です。

2.簡易宿泊所営業・・・・簡易宿泊所は、大人数で共用して施設を使用させ、対価として宿泊料を受ける宿泊施設です。下宿営業以外のものをいいます。

3.下宿営業・・・・・・・1月以上の期間を単位として、宿泊料を受けて人を宿泊させる施設の営業をいいます。

 

旅館業は、大家業と違うため、宿泊施設の衛生上の維持管理が必要で、衛生上の維持管理責任者が必要です。

また、宿泊者が宿泊する部屋に生活の本拠がないことも必要です。

 

追記:平成29年6月に「住宅宿泊事業法」が成立したため、宿泊料及び宿泊料とみなされるものを受け取るには、住宅宿泊事業としての届出を行うか、国家戦略特別区域法の特区民泊の認定を受ければ民泊を行えます。

住宅宿泊事業の届出を行うか、国家戦略特別区域法の特区宿泊認定を受けない場合は、引き続き旅館業の許可を得る必要があります。

マンションの場合は管理規約の変更が必要

マンションの運営は、管理規約によって行われています。

マンションの所有者は、それぞれ持ち分割合に応じて権利を有しており、持ち分に応じてマンションの運営を決める総会に出席します。

 

もし、マンションなどで民泊をするのであれば、管理規約の変更が必要になる可能性があります。

管理規約の変更は、区分所有者の4分の3以上、かつ議決の4分の3以上の賛成が必要です。

ここが民泊を行うにあたって最も面倒かもしれません。

 

旅館業の許可を得ない場合に対する罰則

許可を得ずに違法の民泊を行うと、6か月以下の懲役または3万円以下の罰金に処せられる可能性があります。

違法民泊で摘発されているのは、何も個人だけではありません。

外国人と接する機会が多い、不動産会社や旅行会社で特に多く摘発されています。

 

住宅宿泊事業法による罰則

平成29年6月に成立した「住宅宿泊事業法」にも罰則が設けられています。

法律では、住宅宿泊管理事業者、住宅宿泊管理業者、民泊宿泊仲介業者とに分けてそれぞれに罰則を設けています。

個人が行う場合は普通は住宅宿泊管理事業者となります。

 

民泊は、最大で180日の営業しかできませんが、都道府県知事から行政命令を受けたにもかかわらず営業している場合は、6か月以下の懲役または100万円以下の罰金に処せられることがあります。

 

 

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