住宅ローンの借り入れが昔と比べて借りやすくなりました。
しかし、借りやすくなったということと、返済していけるかどうかとは別のことです。
不動産の購入で一番多い悩みは、「住宅ローンを返済していけるかどうか」といわれています。
ファイナンシャルプランナーへの住宅ローン相談でよくある例を事例を使って説明します。
相談事例・住宅ローンと不動産探し
他の不動産会社で4,980万円の物件を紹介されたお客様からの相談でした。
お客様が紹介された物件を購入した場合に、本当に返済していけるのか不安になったとのことでした。
自分なりにネットで調べたものの、自分では何をすればいいのか分からないことから、当社に相談されました。
お客様がマイホームを探すきっかけとなったのは、子供があと1年で小学校に入学するため、家族で話し合った結果、子供が入学前にマイホームを購入することになったそうです。
お客様が優先したい希望としては、マイホームよりも第一に子供の教育にお金を優先したいとのこと、また、老後資金についてもマイホームより優先したいというお考えでした。
早速、ライフプランを立ててキャッシュフローの分析をしてみましたが、不動産会社に紹介された物件を購入すると、子供の進学が犠牲になる可能性が出てきます。
また、老後については、死ぬまで働くないと自宅を維持するのは難しいようでした。
結局、お客様は、ライフプランの見直しをして、子供の進学と老後資金の準備を優先することになりました。
不動産の予算を見直すことになり、結果として別の物件に無事決まりました。
購入後の住宅ローンについては、今後も対応させて頂きます。
新築マンションは、価値が下がりやすい?
「新築マンションは、登記したら価値が8割になる。」不動産業界やFP業界でよくいわれる言葉です。
新築マンションの販売会社では、扱っている商品が自社で建築した新築マンションだけです。
そして、新築マンションを購入した人のほとんどが他の不動産と比較せずに購入しています。
比較対象が少ないので適正価格が分かりにくいというのもあります。
マンションの価値の減少は、新しいほど大きく減少し、古くなっていくにつれ減少幅が落ち着いてきます。
イメージとしては、会計の減価償却の定率法のイメージです。定額法ではなく、定率法です。
定率法の計算では、1年目ほど価値の減少がおおきく、後になればなるほど価値の減少は小さくなるといった特徴があります。
3300万円のマンションの価値が47年で1割の価値となると仮定した場合のイメージはこんなです。
定額法 | 定率法 | |
1年後の価値 | 3234万 | 3141万 |
2年後の価値 | 3168万 | 2973万 |
3年後の価値 | 3102万 | 2823万 |
5年後の価値 | 2970万 | 2548万 |
10年後の価値 | 2640万 | 1985万 |
値下がりしにくいと言われている東京でも、10年で平均3割程度値下がりします。
東京でも平均して10年~15年経過すればマンション価格の値下がり幅も落ちついてきます。
ちなみに、一戸建ての場合は、都心についていえば土地の値段がほとんどなので、マンションほど失敗が多くありません。
新築マンションを購入して失敗する人が多いのは、比較対象があまりないことにも関係しています。
サポートする専門家がおらず、何としてもその不動産を売りたい営業マンに相談するわけです。
不動産会社の営業マンが新築マンションを買わないのは、不動産の価値の下落を知っているからです。
とはいえ、新築マンションにもメリットはあります。
新築マンションののメリットは、やはり新しい住宅に住めるということではないかと思います。
また、好立地の物件なら値下がりも少ないです。
築10年のマンションがねらい目
新築マンションは、値下がりが激しく登記した時点で7割しか価値がないという専門家もいます。
古いマンションだと建て替えの問題も出てきます。
日本のマンションにも老朽化の問題があるのですが、建て替えするためには所有者の4/5の決議が必要なため、
建て替えの例があまりありません。
建て替え例があるのは、前の建物よりも大きな建物が建てられたことによって、資金不足が解消できたといったケースです。
以上のことから、新築マンションは値下がりが激しく、古すぎるマンションは老朽化の問題を考えておかなければならないということです。
また、築年数によっては、住宅ローン控除が利用できないこともあります。
その他にも修繕積立金の不足がないか、資産価値はどこまで維持できるかといった視点を持っておくのがいいでしょう。
マンションを購入するなら築10年あたりのマンションがねらい目です。
神奈川であれば、海が目の前の物件もなかなか出ないので値下がりしにくいようです。
需要と供給、希少物件が資産維持に影響するのは不動産市場でも同様です。
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