マンションに住んだことがない人が意外と見落としがちなのが「修繕積立金」です。

管理費は、賃貸でも設定されることがあるので、何となく知っている人がいます。しかし、修繕積立金はマンションに住んだ人以外にはあまりなじみがないかもしれません。

修繕積立金は値上がりする

区分所有のマンションを取得した場合は、賃貸とは異なり、管理費の他、修繕積立金や固定資産税といった費用がかかります。

賃貸であれば、毎月の家賃以外には管理費程度で済みますが、購入した場合は住宅ローン以外の維持費が大きい金額になりますから、事前に把握しておかないと後で後悔するかもしれません。

 

経年とともに建物の評価額が下がるので、固定資産税は安くなるのが普通です。しかし、修繕積立金は経年によって値上がりすることがほとんどです。

 

修繕積立金は、マンションの価値を維持するために必要な修繕を行うためのものですが、修繕費用が不足した場合は修繕積立金は当然に見直されるので増加します。

 

マンションの修繕は、所有者が複数で運営して成り立っているので、一部の所有者が修繕積立金の支払いを滞れば十分な修繕が行えなくなり、結果としてマンションの価値が下がることが考えられます。

 

最初から修繕積立金が高いとマンションの売れ行きが悪くなることから、修繕費用を最初は低く見積もるということが一般的に行われています。

新築なので最初は修繕費用は安くなるということですが、将来の負担を考えれば最初から均等にした方が後々の負担は軽減されます。

インフレやコスト費用が増加することで修繕にかかる費用が上昇することもあります。

私が以前所有していた区分所有のマンションは、築10年程度経過したときに修繕積立金が3,000円くらいから6,000円以上に増額しました。

修繕積立金は、10年程度のスパンで見直しが行われるのが一般的ですが、見直しのたびに修繕積立金は上昇すると思っておいたほうがショックも少ないでしょう。

マンションの購入では修繕積立金に注意

マンションは、管理組合で修繕積立金と管理費を毎月徴収しており、管理を委託していれば一戸建てより管理は楽です。

ただ、近年はマンションの建て替えや修繕積立金でトラブルになるケースも出ています。

 

日本国内には、老朽化で建て替えが必要と言われているマンションが多いのですが、建て替えにはマンションの管理組合で5分の4以上の決議が必要です。

老朽化したマンション居住者の中には高齢者も多く、修繕積立金の値上げがなかなかできずに修繕積立金が不足してなかなか建て替えに対して結論が出ないこともあります。

修繕計画が杜撰だったり、管理が徹底しておらず管理規約を守らない人がいたり、容積率が立て替えの制約となっている、といった管理や建て替えの問題を抱えていることもあります。

 

修繕積立金に対する不満には、修繕積立金が不足する、一時金が多額、毎年修繕積立金が上がっている、といったものが挙げられます。

修繕積立金が値上がりしていくのはマンションでは一般的です。積立金が不足すれば定期的に行う大規模修繕が行えなくなり、その結果、マンションの資産価値が低下することにつながります。

また、建て替えのための資金が不足すれば、建て替えのために多額の資金を追加で用意しなければならないかもしれません。

 

過去に建て替えを実現できたケースの9割は建て替えによって戸数が増えた場合といわれています。

例えば、敷地面積に対する建物の延べ面積を容積率と言いますが、建て替え前のマンションに容積率に余裕があり、建て替えによって総面積が増えて戸数が100から120になれば、増えた20戸は売却することで建て替え費用の負担が軽減できるといったケースです。

 

このように建て替えがうまくいくには入居者の負担をどの程度減らせるかといったことも重要のようです。

 

マンションを建て続けた結果、古くなったマンションが社会問題となっています。

今後は、いかに中古マンションの資産価値を認めるかが求められています。

 

 

 

 

 

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