新築マンションを投資物件として他人に貸すと減価償却費として費用処理できます。

この費用処理の部分は、自分で済むと費用として処理はできなくなることから、自分で済んでいるということは自分で消費していることに他なりません。

減価償却と自己金融効果

自宅を自己所有していると分かりにくいかもしれませんが、耐久消費財の投資と消費との違いを理解しておくこと意外と役に立ったりします。

特に不動産投資では、借入金を活用して物件を購入するので、キャッシュアウトフローよりもキャッシュインフローが上回ることに目を付けるだけでは不十分です。

 

例えば、不動産投資と言ったら必ず出てくるのが減価償却費です。

 

減価償却費とは、購入した固定資産を費用配分する手続きのことをいいます。

分かりやすくいうと、建物は年月とともに劣化していきますが、この価値の減少を帳簿上も価値を減少させる会計処理で、1,000万円の建物を20年間使用するのであれば、20回ずつに分けることです。

つまり、1,000万円を20年で使うため、20で割ると1年当たり50万円の価値が減少するということになります。

減価償却とレバレッジを活用することで不動産投資では資産を築いていきます。

 

減価償却費の話をもう少し掘り下げて説明してみます。

例えば、ここに400万円があって100万円のタクシーを購入したとしましょう。

1台のタクシーを4年間使用するので、1年間の減価償却費は1台当たり100万円÷4年間で25万円です。

1台のタクシーが1年間で稼ぐのは25万円と仮定するとします。

そうすると、収入は1台25万円なので4台で年間100万円稼げます。

そして、減価償却費というのは費用ですが、1台25万円なので1年間の費用は合計で100万円です。

 

分かりやすくするためにガソリンとか人件費は無視しています。

利益というのは、収入から費用を引いたものですから、100万円-100万円で利益は0です。

ところが、手元には100万円が残っています。

売上が100万円だからです。

 

この100万円を使ってもう1台のタクシーを購入すると、2年目は1台25万円の収入ですから125万円を稼げます。

費用も125万円ですから125万-125万円で利益は0円ですが、125万円は手元に残ります。

2年目が終了した時点では、現金が125万円です。

 

クルマで費用処理していない分の残額は、{100万円-(25万円×2年分)}×4台+100万円-25万円の275万円になります。

つまり、帳簿上の資産は、275万円のクルマと125万円の現金の合計400万円があることになります。

 

資産の価格は帳簿上は変わっていませんが、クルマは5台になっています。

このまま3年目も1台購入すれば、タクシーは6台になりますが、帳簿上の価額は400万円で変わりません。

もしも、固定資産の全部を減価償却して配分しきったとすると、収入の全てが利益となるので全部が課税対象になるということになります。

このため不動産投資をする人は、物件を探し続けるなり、建て替えをするなりすることになります 😯

 

 

償却資産の法定耐用年数

建物や建物に付属する設備は年月とともに劣化していきます。

このように経年劣化していく資産を減価償却資産といいます。

土地の場合は、100年経っても使用できますので、土地に減価償却は行ないません。

 

主な減価償却資産の耐用年数(建物・建物附属設備)

 

構造・用途 細   目 耐用
年数
木造・合成樹脂造のもの 事務所用のもの
店舗用・住宅用のもの
飲食店用のもの
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの
公衆浴場用のもの
工場用・倉庫用のもの(一般用)
24
22
20
17
12
15
木骨モルタル造の
もの
事務所用のもの
店舗用・住宅用のもの
飲食店用のもの
旅館用・ホテル用・病院用・車庫用のもの
公衆浴場用のもの
工場用・倉庫用のもの(一般用)
22
20
19
15
11
14
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造のもの 事務所用のもの
住宅用のもの
飲食店用のもの
50
47
34
れんが造・石造・ブロック造のもの 事務所用のもの
店舗用・住宅用・飲食店用のもの
旅館用・ホテル用・病院用のもの
車庫用のもの
公衆浴場用のもの
工場用・倉庫用のもの(一般用)
41
38
36
34
30
34