不動産探しをするうえで、意外と重要なのが不動産を購入する目的と動機です。

そもそも不動産をなぜ購入するのか、より良い暮らしの空間を望むか、誰を基準にして不動産の条件を選ぶのかなど、不動産を購入する目的と動機があいまいだと、ただの暇つぶしになりかねません。

購入する目的と動機を明らかにすることで、不動産屋さんも物件探しがしやすくなるため新規物件の紹介もいち早くしてもらえたりします。

また、他にもメリットがあります。

 

不動産を購入する目的と動機

賃貸と違い、売買の場合は、急いで不動産を探しているという人はあまりいません。

いつかはマイホームを購入したいから今のうちに勉強を兼ねて物件を見ているといった人の方が多いです。

つまり、将来の勉強のために不動産を見ているということです。

こういう人の多くは、目的と動機があいまいなので、10年経っても進展しません。

 

「子供の進学前に間に合わせる」「親の介護のために二世帯住宅を建てる」といった希望条件を明らかにすることは、不動産を購入するうえでは重要です。

他には、「退職後は海の見える家に住みたい」「ニートの息子を自立させるための家を購入する」などがありますが、子供が理由でマイホームを購入するという人は多いです。

また、最近では、一生賃貸生活だと長生きがリスクになるため、一戸建てを購入する人もいます。

 

購入目的について裁判で争われたことも

宅建業者には、重要な事項についてお客さんに説明する義務があります。

いわゆる重要事項説明です。

国道交通省は、「宅建業法第35条に列挙された事項にかかわらず、購入意思の決定に影響を与える事項は、必ず説明しなければならない」といっていますので、宅建業者は法律にとらわれないでお客さんの目的と動機にそった物件を紹介、説明することが必要です。

 

過去の判例では、媒介業者は購入者の目的と動機に反しないように調査・説明する義務があるとして宅建業者の債務不履行責任を認定した例があります。

極端な例ですが、マイホームを建てたいのに紹介された土地は建物を建てられない土地だったとか。

賃貸と売買にかかわらず、意思決定に影響を与える事項については、不動産業者は説明義務があるので目的と動機を明らかにしておくことは自分の身を守ることにもなります。

 

不動産業者が積極的に相談に乗ってくれる

不動産業者の中には、あまり情報を開示してくれないお客さんを最初から相手にしない業者もあります。

 

不動産業者がお客さんに不動産を探す目的と動機を聞くのは、お客さんのリスクを回避したりすることにもつながります。

お客さんの目的に合わない物件であれば、普通の不動産業者だったら紹介しません。

 

また、探している条件と多少違った物件でも、目的と動機に合えば紹介してくることもあります。

探している物件条件は、何件か物件を見ていくと変わったりするものですが、目的はあまり変わることがありませんから、多少条件に外れていても目的があっていればその人にとって最適な物件となることもあります。

 

眺望や景観

眺望良好な物件や景観が美しい街並みは、不動産の魅力にも影響を与えます。

しかし、眺望や景観というものは、将来にわたって保証されたものではありません。

 

物件の内見の際は、眺め・景観が良かったのに、住んでから数年したら前に別の建物が出来てしまい、眺め・景観が悪くなるということはあります。

基本的に不動産は、土地を有効に利用するので、容積率500%の土地に2階建てを建てるということはしません。

眺望や景観は、建物が前に建たなくても、眺望そのものが変化したり、他の要因で景観が損なわれることもあるので、何とも言えないというのが実際のところです。

 

確かに眺望や景観が気に入ってマイホームを購入したのにいきなり目の前に高層マンションが建ったら怒ると思います。

実際過去には、何度もマンション建設の反対運動が起きてます。

しかし、平成18年の最高裁では、景観の利益は保護に値するとしたものの、内容は景観の性質、態様によって異なり、社会変化によっても異なるため、景観権までの権利性までは認められないという判例があります。

 

景観や眺望は将来も保証されたものではありませんが、そのエリアの用途地域などで少しは予想できることもあります。

お墓を嫌う人は多いいのですが、お墓も新たに建物は立ちにくいといわれています。