印鑑と署名について

新しく社会人になると、契約書や書類に印鑑や署名する機会があることでしょう。

以前、「YOUは何しに日本へ」でフランス人が日本に来て自分の印鑑を作って喜んでましたが、欧米は印鑑制度がないので全てサインによります。

 

口頭でも契約は成立する

実は、契約は取引当事者同士の合意によって成立します。しかし、口約束だけでは、後日、意思を自由に撤回しても証拠がありませんので、トラブルになりやすいです。その点、書面にしておけば、後日、トラブルがあったとしても証拠となるわけです。

 

印鑑の役割

書類に印鑑を押すことは、その書類の内容に同意し、責任を負うことを意味します。

世の中には、他人の印鑑を盗んで悪用する者もいますので、印鑑をその辺に放り投げておくことのないようにします。

 

記名と署名の違い

記名は、自分の名前が書いてありますが、自分で書いたとは限りません(パソコン、代筆、ゴム印等)。

そして、署名は、名前を自分で書くことです。

記名押印は、記名されている書類に印鑑を押すことです。記名に加えて押印することで、署名に代えることができます。

実務では、署名に加えて押印することでより安全で信用のできる取引となります。

 

実印と認印

実印は、市区町村に届け出て登録をしている印鑑です。そして、実印以外の印鑑が認印になります。

シャチハタは、類似したものが多いので正式な書類では認められず、実印か認印を持参するように言われることになるでしょう。

 

契印と割印

契印と割印の目的は、契約書が偽造されないようにするためです。

契印は、書類が複数枚にわたる場合にそれらが一体となっていることを明確にするためです。

割印は、同じ契約書を2枚作った場合に、それぞれの契約書にまたがるように押印すれば、同じ契約書であることが明確になります。

 

訂正印

書類の一部を間違えて訂正する場合は、間違った文字を二重線を引いて消します。そして、訂正した箇所に訂正印を押印するか、ページの上部に訂正印を押印して、〇字削除 〇字加入と書きます。

 

捨印

捨印は、後で訂正箇所が見つかった場合に備えて書類の欄外に押印しておきます。

訂正する手間を省けるということは、無断で文書を変えられる恐れがあるということです。

 

 

参考文献

現場で役立つ! ハンコ・契約書・印紙のトリセツ  鈴木瑞穂著

これだけ押さえればOK! 印鑑・印紙契約書の基本がわかる本  齋藤健一郎著

いざというときに身を守る、財産を守る くらしの法律百科  小学館

「印鑑の基礎知識 知らないではすまされない」  寺澤正孝監修 金融実務研究会著

 

 

 

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