超高齢社会真っただ中の日本では、将来の老後生活を考えると暗澹たる気持ちになってきます。

社会保険料の相次ぐ値上げ、際限のない増税問題、健康保険の負担割合増加などを考えると今の政治は子供でも出来そうにみえてきます。

 

しかし、中にはたくましい人はいるようで、相続税の基礎控除が引き下げに対して、自助努力をしてでも資産形成に努めようと行動に移す人がいるようです。

相続税の節税対策では、不動産が大きな効果が期待できることから、現在は不動産投資の市場が盛況のようです。

 

相続税の基礎控除が引き下げで不動産投資が盛況

相続税の算定基礎控除が、「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」から「3,000万円+600万円×法定相続人の数」というように、以前の基礎控除から6割に引き下げられましたが、相続対策に備えてアパートやマンションに投資する人が増加しています。

また、不動産は路線価や固定資産税評価額を使うため、預貯金よりも低い評価となりますから、有利といえます。そして、アパートとした場合は、貸家建付地として評価額がさらに下がるため、節税の効果が見込めます。

つまり、路線価は不動産市場価格の7割~8割なので節税対策になり、建物も固定資産税評価額で5割~7割なので節税効果になり、アパートだとさらなる節税効果が見込めるということです。

借入金があれば、債務控除により、5,000万円の相続税が2割程度に抑えられるなんてこともありえる話です。

そのため、不動産業者や建築業者は、不動産投資は得ですよという話を持ちかけるわけですが、当然その言葉を鵜呑みにすると大きなリスクを抱える結果になります。

アパートやマンションの運営は、トラブルも多く、裁判にまで発展するケースも珍しくありません。日本の法律は、意外に借主に有利ですので、大家さんは法律の勉強も必要です。

リスクはありますが、将来の不安に備える一つの手段としては、不動産投資は有力です。

 

資産形成を目的とした不動産

資産というのは、現在または将来的にお金を生み出すものをいいます。

これは、経済や会計用語なのですが、資産の定義になります。

不動産というと、どれも資産と思いがちですが、不動産であってもお金を生み出すことがなく、ひたすらお金を流出するようなものは資産ではないことになります。

 

不動産を売りたくても買い手が現れず、維持費のみを支払っているといった状況の田舎が出ているようです。

タダでもいいから引き取ってもらいたくても引き取り手がいないなんてケースも出ていて、同じ不動産でも一方はお金を生む資産で、もう一方は維持費だけが出ていく資産ではない不動産もあるとか。維持費だけがかかる不動産は、不動産であっても資産ではないといえます。

 

 

資産とはどんなものか

例えば、有価証券は保有している間は配当が得られ、売却すれば換わりにお金が受け取れます。

不動産であれば、人に貸し出していれば家賃収入が得られますし、売却すればお金が受け取れます。

このように資産は、金銭、有価証券、不動産、備品といったものをいいます。

 

資産形成を図るうえで、不動産を考えることは避けては通れないといわれています。

現在だと銀行に預けてもほとんど利息が付きませんが、有価証券や不動産はリスクがある分、リターンも期待できます。

 

不動産が資産形成で優れているといわれるのは、ローンを利用することと関係しています。

不動産の購入時は多くのローンを利用することがほとんどですので、手元に300万円しかなかったとしても借入することで1億円の運用ができるケースもあるのです。

同じ10%の運用利回りでも300万円と1億円とでは金額に差が出ます。

300万円では年間30万円ですが、1億円であれば1,000万円になるからです。

 

日本の資産家は不動産で資産形成している

過去には財産三分法という言葉がありました。

財産三分法とは、預貯金と株式(金融商品)と不動産の財産に分散させて投資するというものです。

しかし、日本の資産家はほとんどが不動産で資産形成しており、国税庁の課税状況でも不動産が半数以上を占めているといわれます。

このように不動産投資は日本では普及しています。

 

これからの不動産

超高齢社会の日本では、相続対策がより重要になることは間違いなさそうです。

国税庁の相続税の課税状況が三大都市圏が圧倒的に多いのは、やはり不動産が絡むことに起因しているからです。

資産形成と相続対策では異なった視点を持つことが必要です。

収益性に優れていたため、資産形成ではポピュラーとなった不動産ですが、相続で家族が争う可能性もあります。

一般的に現金で保有するより評価額を引き下げる効果があるといわれる不動産ですが、相続財産が不動産のみだと遺産分割で争うケースがよくあります。

相続税対策と相続対策も分けて考える必要がありそうです。

 

不動産は、節税対策には最も優れていますが、納税対策や遺産分割対策ではもめる原因となりやすくなります。