あなたは、リスクと聞くとどういったイメージを抱きますか?

リスクと聞けばマイナスのイメージしかないのではないでしょうか?

 

株式、不動産などの投資の世界では、リスクは必ずしもマイナスとは限りません。

投資の世界では、リスクというのは投資対象の価格の変化がどれくらいの幅かを表すものなので、投資している対象が増えることもあります。

つまり、リスクがあるということは、マイナスだけではなくプラスに働くこともあります。

 

リスクの正体はブレ幅だった、リスクを表す標準偏差とは

投資の世界でのリスクとは、「不確実」なことを表す言葉です。

プラスに働けばラッキーですが、マイナスになれば大きな損失となるので、リスクに対して最悪の場合を想定しておく必要がります。

 

このマイナスの数値だけをクローズアップしたためにリスクに対してマイナスのイメージをもつことになるというわけです。

 

将来は、不確実なので投資にはリスクがあり、資産が減る可能性がある反面、増やす可能性もあります。

資産を殖やすためには、リスクがあるということは必要で、リスクをコントロールするとかは別の問題です。

 

保険は、リスクに対する処理方法です。

保険に加入しておけば、不測の事態が起きても保険で対処できます。

世の中は不確実なことが多いので保険が必要とされています。

 

標準偏差とは

金融資産や不動産といった投資の世界では、リスクを表すのに標準偏差を用います。

最近では、確定拠出年金を導入する企業が増加していますので、自分の確定拠出年金の資料から標準偏差という言葉が出てくることもあります。

 

 

では、標準偏差とは何なのでしょうか。

標準偏差は、統計学で使う用語で、ばらつきの度合いを表したものです。

平均からの数値をそれぞれ二乗した合計を個数で割ったものを分散といいます。

{(A-平均)^2+(B-平均)^2・・・(n-平均)^2}÷nです。

そして、標準偏差は分散の平方根です。

この数値がリスクの正体です。

 

これだけでは、何のことか分からないかもしれません。

ここではばらつきやブレがリスクと思っておけばいいと思います。

 

標準偏差の計算

ある集団の平均値を求める場合は、集団の総和を集団の個数で割れば計算できます。

 

集団のそれぞれの数値から平均を引いた数値を偏差というのですが、

この偏差をそれぞれ2乗したものの合計値を

集団を構成している個数で割ると、分散が求められます。

 

そして、分散の平方根が標準偏差になります。

 

リスクは、統計学の計算を用いて導き出された数値です。

 

正規分布と標準偏差

ある学校のテストを0点から5点ごとに区間を設けると、平均に近い人が多くて、平均から離れるほど、割合は少なくなることが経験から知られています。

 

多くの人数の数値を集めて図にすれば、その形は、真ん中を頂点とした釣り鐘型の図形が描かれるのも知られています。

 

この分布が正規分布といわれるものです。

 

正規分布を表す曲線の特徴としては、平均を中心にする左右対称の釣り鐘型になります。

平均が異なる2つの曲線は、左右に動かすことで重なります。

標準偏差が大きければ中心が低くなり、標準偏差が小さければ中心が高くなるといったことが特徴として挙げられます。

 

標準偏差が表すリスク

標準偏差は、σ(シグマ)で表されますが、このσは、正規分布の中心から左右に約68%の割合を表します。

つまり、リターンが5%で、標準偏差が3%であれば、8%から2%の間に約68%の割合で収まることを意味します。

2σでは95%、3σでは99.7%になるといった特徴があります。

 

標準偏差を用いて株式の変動範囲を確率であらわしたりします。

 

偏差値でも標準偏差

よく学力のレベルを表す数値として、偏差値を用いますが、偏差値とは、標準偏差に調整を加えたものです。

 

偏差値の求め方は、自分の得点から平均値を引いたものに10をかけて、標準偏差で割り、50を足したものです。

 

対象となった偏差値が違う場合は、比べることができません。

ときどき、資格の難易度を偏差値を用いて表してるのを見かけますが、元になった集団が違うと比較しても意味がありません。

偏差値を比較すると分かりやすく見えるので、誤用でもお構いなく利用しているというわけです。