支部会まで時間があったので、図書館で時間をつぶしてたら、事件コーナーでたまたま見つけたのが「首なし事件」についての本と「少年A」の記事でした。

読むのに熱中してしまい、支部会に遅れてしまいました。

弁護士が起こした首なし事件

首なし事件は、戦時中の日本で正木ひろしという弁護士が起こした事件です。

こう聞くと弁護士が悪いことをしたように聞こえますが、

実際は弁護士の正木ひろしが正義のために起こした事件です。

きっかけとなった事件は、1944年に起きるのですが、当時は警察の権力が強く、

三権分立は名ばかりといってもいいレベルだったようです。

戦時中の弁護士は、裁判所と検察官よりも力が弱かったので弁護士では守れない事件も多く、

冤罪も多かったようです。

 

事件が起きたのは、茨城県で炭鉱夫が取り調べ中に警察官に殴り殺されるという事件でした。

 

最初は、炭鉱夫の病死として処理されましたが、

炭鉱夫の雇い主が正木弁護士に訴えたことから発覚しました。

 

話を聞いて正木弁護士は、炭鉱夫のために事件を明るみにしようとしますが、

当時の大臣や警察にもみ消されそうになります。

そこで、弁護士が解剖医の権威であった古畑教授に相談すると

教授は首を持ってきたら鑑定すると言ってくれしたので、

正木弁護士は炭鉱夫の遺体を墓から掘り起こして首を持ち帰ります。

持ち帰って古畑教授に鑑定してもらった結果、警察官の暴力によって死亡したと鑑定され、

これをもって、正木弁護士は警察を告発するのですが、

逆に正木弁護士は死体損壊や墓を荒らしとことで訴えられます。

結局、正木弁護士の方が証拠を十分に用意しても相手が巨大すぎために不起訴となり事件は闇へと葬られました。

正木弁護士はそれでも諦めず雑誌を通して事件を記事にするとだんだんと正木弁護士に同調する検事がでてきます。

 

結局、戦時中のこともあって判決は戦後10年かかりますが、

最後は炭鉱夫を殺した警察官が逮捕されます。

 

その後も正木弁護士は、反権力・冤罪裁判を手がけて日本の良心と呼ばれるようになります。

正木弁護士は孔子の「義を見てせざるは勇無きなり」という言葉を引用したことでも有名です。

 

少年Aの家がなかなか売れないそうです。

「少年A」は、「神戸連続児童殺傷事件」の犯人、「酒鬼薔薇聖斗」のことなのですが、私が手にした本では、少年Aの自宅が売りに出しても売れないということが書かれてました。

 

事件についてはテレビや新聞、雑誌を通してだったので概要だけ知っている程度でした。

 

事件当時、少年は閑静な住宅街に建つ一戸建てに住んでいて、その家は両親が人から借りていたようです。

この家の所有者は、事件があった後、家を売りに出したものの、数年経っても売れないみたいです。

 

不動産業界では、「自殺」、「殺人」が起きた物件を心理的瑕疵(しんりてきかし)物件と呼びます。

心理的瑕疵物件では、一般的に過去に自殺や殺人が起きた家をお客さんがどう見るかがポイントです。

 

普通であれば事故が起きた物件に進んで住みたいとは思わないので、こういった心理的瑕疵物件では、契約時に「重要事項説明書」で説明する義務があります。

心理的物件は、契約前に行う重要事項説明で過去に殺人、自殺がありましたが、それでも買いますか?ということを聞かないとだめなんです。

少年Aは、事件当時住んでいた家で、殺した少年のクビを持ち込んで天井裏に隠しているので、かなりきつい心理的瑕疵物件といえます。

 

多くの人が嫌がる心理的瑕疵物件ですが、心理的瑕疵物件は周りの相場よりも安い値段で買えることがあります。

心理的瑕疵の理由が気にならない人にとっては、一つの選択として考えられるかもしれませんが、売るときもなかなか売れない可能性があります。

 

 

自殺、殺人事件があった不動産は、大きく価値を下げることになります。