物件探しをしていると他よりも安い物件があります。
その物件資料をよく見ると、「告知事項あり」と書いてあります。
「告知事項あり」と書いてある物件は、それを知ったら部屋を借りたくないなあと思うような事項があるということです。
一般的には、自殺や他殺が過去に起きた物件を指し、心理的に嫌がられることから「心理的瑕疵物件」とか「事故物件」ともいいます。
瑕疵というのは、キズという意味です。
なぜ、告示事項ありという表示がされているかというと、不動産会社は心理的瑕疵物件について、これから部屋を借りる人に対して契約前に告知することが法律で決められているからです。
もし、法律で告知しないことが決まっていなければ、わざわざ不動産会社が不利になることを告知するわけがありません。
ただでさえ不動産会社と消費者には情報に差があります。
告知義務は、消費者のためにある義務です。
借りる、借りないは別にして消費者が告知事項を知って自分で判断する分には問題ありません。
たいがいは、告知事項ありと書いてある物件は、周辺よりも安くなっています。
内装もきれいにリフォームされていれば、意外と気にならないかもしれません。
では、どのような場合に「告知事項あり」と不動産屋が書かないといけないのか。
実は、これについては明確な基準がなく、消費者がそれを知っていたら借りないことについて告知しなければならないとされているだけです。
そうなると、過去の裁判例をもとに判断せざるをえなくなります。
過去の裁判例でも分かれていることがありますが、消費者が目的を達成できるかが判断材料となるようです。
自然死については、告知する必要はないとされています。
自然死についてまで告知義務有にしてしまうと、高齢者お断りになってしまい、高齢者が部屋を借りることができなくなります。
なので、告知義務有となるのは、自殺とか他殺の場合のようです。
では、何年も前の事件についても告知しなければいけないのでしょうか。
これについても法律上の明確な決まりはないため、過去の裁判例を参考にしなければいけません。
過去の裁判例でも判断が分かれていて、明確な決まりはありません。
ただ、有名な殺人事件で20年前の事件についても告知義務がありとされたことはありますが、これは売買の場合です。
期間についても借り手がそれを知っていたら、借りなかったかどうかがポイントとなるのではないかと思います。
売買契約でも過去の裁判例では、目的が達成できたかどうかがポイントとなることが多いですから。